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戦国BASARAのへ・た・鬼パロです。
BASARA歴2ヶ月が書いているので、キャラの口調・性格などがおかしいです。
ゲーム上の時間軸をガン無視してます。
ホラー・グロ要素が満載です。
アニキのターン☆
って言ってもしばらくアニキのターンが続くぜ!
OKって人は続きから
作者特権で好きなキャラを活躍させる駄目な人です。
「おう、待たせたな。」
元親が3階の琴の部屋へ行くと、すでに他の4人の姿があった。
「遅いぞ、長曾我部。」
予想通りの言葉が毛利から投げ放たれる。
「ごめんなさい・・・。」
市がしょんぼりと謝るのに苦笑し、元親は彼女の頭をぽんぽんと叩いてやった。
「で、毛利。何か分かったのか?」
元親は毛利へと向き直ると、そう尋ねる。
それに毛利は不機嫌そうに顔を逸らした。
「毛利さんが言うには、何か1つが足りないらしいんだよね。」
慶次が苦笑して、毛利の代わりにそう説明した。
「今しがた毛利殿にも話したが、拙者達は、1階階段の奥の部屋に、この鍵で開く扉を見つけたでござる。」
幸村が手にある鍵を示して言う。
「しかし、新たな部屋にはアレが出る確率が高いでござるから、皆と合流してから探索しようとした所存。」
「さぁ!我々の愛の力を示すのです!さぁ、行きますよ、パイレーツ長曾我部!」
宗麟が急にラララ~と踊りだした。
それから目をそらし、元親は腰に下げていた袋から日長石で作られた太陽を取り出した。
「毛利、あんたこういうの好きだろ。やるよ。」
投げたそれを、毛利は反射的に受け取る。
「・・・これは?」
毛利は驚きの目で太陽と元親を交互に見る。
「部屋の箪笥に隠してあった。本当は空洞な水晶の玉に入ってたんだが・・・どうやら、そいつが時間を狂わせてやがる元凶のようだ。」
「そうか・・・。」
意外と気に入ったようで、毛利は日長石の太陽をかえすがえす見ている。
「1・2階で開いている部屋のは全部壊してきた。時間が狂ってるせいで出られねぇってんなら、それを壊していけば、出れるだろうよ。」
「では、まずはその球を壊す事から始めよ。」
毛利は日長石の太陽、いや、日輪を大切に懐にしまった。
「よしっ、さっさと竹中と独眼竜を見つけて、さっさとこの屋敷をでるぜ!」
元親は勢いよく碇槍を肩に担ぎ、気合を入れる。
「ちょ、元親。家康の事忘れてるよ・・・。」
慶次が苦笑気味に突っ込む。
それに、元親は首を傾げた。
「あぁ?なんで家康が出てくるんだ?家康はこの屋敷にまだ来てねぇだろ?」
その言葉に、全員が怪訝そうな顔をする。
「何寝ぼけた事を申しておる。探すのは、家康と伊達であろう。」
毛利がやれやれと言ったように肩を竦める。
「ちょ、毛利さん?探すのは3人。家康と半兵衛と政宗!」
慶次が驚いたように毛利の言葉を正す。
「貴様、毛利!半兵衛様の名を忘れると言うのはどういう了見だ!」
三成が、額に青筋を浮かべ、刀に手をかける。
「だいたい、いなくなったのは半兵衛様1人であろう!」
「だから、お前らは何を寝ぼけておる。竹中はこの屋敷に来ておらんだろう。」
毛利は激昂する三成に、嘆息する。
「貴様ぁぁぁぁ!毛利ぃぃぃぃ!」
「待った!待った!」
慶次が慌てて、三成を羽交い絞めにして押さえる。
「・・・どうなってんだ?」
元親は食い違う皆の話に首を傾げる。
確か、家康はこの屋敷にまだ来ていないはずだ。
記憶とこの場にいる人物の食い違いが激しすぎて、訳が分からなくなってきた。
「とりあえず・・・球を壊すか。」
元親は嘆息し、部屋の隅にある箪笥へと向かった。
どの部屋でも球は、箪笥の中に入っていた。
ここにも同じような場所にあるはずだ。
箪笥を順々に上から開けていく。
「あった。」
そして、3段目にそれはあった。
振り返ると、三成と毛利はまだ喧嘩をしている。
仕方なく、元親は1人で球を壊すことにした。
球を振り上げ、勢いよく床に叩きつけた。
パリンッと音がして、球が割れた。
ザザッと視界が揺れる。
(なんだ・・・?)
そして、ある映像が流れ始める。
『おお!本当にあったのか!』
家康の声。
気付くと、目の前に家康とこの屋敷があった。
『噂だと思ってたけど、本当にあったんだな・・・。』
自分が感心したように屋敷を見上げている。
これは記憶だ。
屋敷に入る前の記憶。
(だけど・・・俺は、家康と来たか?)
違うはずだ。
自分は家康とは来ていない。
再び、ザザッと視界が揺れる。
『へぇ、本当にあったんだ。』
今度は半兵衛の声だ。
『噂だと信じてはおらんかったが・・・本当にあったとは。』
毛利の声も聞こえる。
『このdesertな感じが悪くねぇな。』
これは政宗だ。
『俺はあんまし気乗りがしねぇんだがよ・・・。』
そして、自分。
(なんだ?この記憶は・・・。)
自分はこの屋敷に入ったのは初めてのはずだ。
なのに、なぜ、複数の記憶がある?
ザザッと視界が揺れる。
『ここに、私のお友達、いるかしら?』
『おお、ザビー様!今から参ります!』
市と宗麟の声だ。
『はぁ・・・早く入って家康達と合流するぜ・・・。』
自分が疲れた様に呟く。
(だから、なんなんだ・・・。)
ザザッと視界が揺れる。
『おお!本当にあったのか!』
家康。
『噂だと思ったけど、あったんだね~。』
慶次。
『いい雰囲気じゃねぇの。』
政宗。
『肝試しには持って来いよ。』
そして、自分。
違和感のない組み合わせだ。
確かに、こういうところに来るならこの4人で来るだろうが・・・・・・・違う。
(俺はこいつらとは来ていない。)
では、誰と来たのだろうか。
ザザッと視界が揺れる。
『ほぉ~、本当にこんなところがあったでござるか!』
感嘆の声を上げ、幸村はキラキラとした瞳で屋敷を見た。
『噂だと信じてはおらんかったが・・・本当にあったとは。』
毛利も同じく屋敷を見上げる。
屋敷は今の時代には珍しく、とても高かった。
作りは木造なのだが、軽く5階はあるだろうか。
『このdesertな感じが悪くねぇな。』
政宗も期待を隠せないようだ。
『俺はあんまし気乗りがしねぇんだがよ・・・。』
元親だけは、顔を曇らし、屋敷を見る。
(これだ!この記憶だ!)
そうだ、自分は幸村、毛利、政宗と一緒にこの屋敷に来たのだ。
「長曾我部!」
名を呼ばれ、元親はハッと我に帰る。
「どうした?球を割ったっきり、動かなかったが・・・。」
三成が無表情に少しだけ心配を浮かべて、顔を覗きこんでくる。
「あ・・・いや・・・。」
元親はぼんやりする頭を覚まそうと、俯き、顔を横に振る。
「話に決着が付かなかったから、まずは目先の事をやることにした。」
三成が指し示す方では、すでに何人かが部屋の外に出ていた。
「その球を壊しがてら、鍵で開いた部屋に行くぞ。」
「・・・ああ。」
元親は頷き、三成に続いて歩き出した。
ちらりと目の端に映った太陽と月が――――――‐
怪しく光った気がした。