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4、知るたびに増えていく“好き”

彼の仕草が好き。
彼の表情が好き。
彼の言葉が好き。
「・・・重症だ・・・。」
当麻はキッチンで料理をしながら、ため息をつく。
ステイルの事が知りたいと思い、彼を観察してみた。
そして、気付く仕草、表情、癖。
知るたびに、鼓動がドクンッと鳴った。
「とうまー、お腹すいたー。」
「あー、はいはい!もう煮込むだけだから我慢しなさい!」
インデックスを怒鳴りつけながら、チラリと背後を振り返ると、4つの目がじっと、こちらを見ていた。
「・・・そんなにジッと見たって、すぐにはできないぞ・・・。」
呆れ半分に、当麻は言う。
「なっ!そんなことぐらい分かってるもん!」
「僕は君が料理を失敗しないか見張ってるだけだよ。」
「はいはい、そーですかー。」
インデックスの図星を疲れたような起こった表情と、ステイルの生意気な顔を見て、当麻は料理に戻る。
そんな彼の表情も好きだな、と思った。
「・・・の・・・り・・・が・・・き・・・。」
「ん、・・・だ・・・・わ・・・い・・・・な。」
不意に小声で話す2人。
クスクスと笑っていた。
その笑い声も好きだな、と思う一方で、仲がいい2人が少し羨ましかった。
(・・・本当に重症だ。)

知るたびに増えていく“好き”、インデックスに嫉妬する程に



(とうまの料理をする背中が好きかも。)
(ん、そうだね。悪くはないかな。)


5、コップの水は溢れたら止まらない

ステイルが寝ていた。
「・・・・・・。」
当麻は茫然と立ち尽くしてしまった。
インデックスが小萌の元へと遊びに行く、と突然言い出したので、送っていった。
まだまだ、インデックスは道に迷うのだ。
そして、帰ってくると、ステイルが当麻の部屋で寝ていた。
ベランダの鍵は常に空いているので、非常識な魔術師な彼だ、そこから入ったのだろう。
そして、待ちくたびれて寝てしまったのだろうか?
「・・・す、ステイル?」
とりあえず、呼びかけてみた。
しかし、完全に寝てしまっているのか、返答はない。
当麻は、ステイルの傍らにしゃがみ込み、肩へと触れた。
起きない。
「ステイル?」
呼びかけながら揺すってみる。
「ん・・・。」
すると、小さく声を上げた。
起きるか、と思ったら、当麻の手から逃れるように寝返りをうつだけだった。
「起きてくれよ~。」
当麻は泣きそうな声で呟く。
気持ち良さそうに寝ているステイル。
起こすのはとても可哀そうだ。
しかし、起きないと・・・こちらの理性が保てそうにない。
無防備な寝顔に、心臓が高鳴る。
しかも、彼が小さく上げた声。
聞いた事のない高い声。
「・・・起きないステイルが悪い。」
そう言い、当麻はステイルの顔に、自分の顔を近づけた。
「・・・ステイル?」
最終確認の様に間近で呼びかけた。
返答はなし。
そして、一瞬だけ、唇と唇を合わせた。
「・・・予備の布団、どこだっけな~。」
そして、自分を騙すために、平然なフリをして、布団を取りに行った。

コップの水は溢れたら止まらない、恋や衝動と同じように


6、息が止まるほど近い距離

テントの中。
まだ、アニェーゼ達は起きているのか、少し騒がしい声が外から聞こえてきた。
法の書を巡る戦い前のわずかな休息の時間。
当麻とステイルは同じテントの中で寝ていた。
2人の間は僅か10㎝。
手を伸ばせば、すぐに触れられる距離。
寝なければいけない。
分かっているのに、心臓が高鳴って、眠ることなどできない。
そして、ステイルが先程語った、インデックスへの誓い。
考えると、とても、切なくて、そして、嫉妬が湧きあがってくる。
『お前の好きな子誰よ?』
軽く聞いたが、本当はものすごく勇気がいう言葉だった。
「聖女マルタか・・・どんな人だろ・・・?」
うつら、うつらとしながら、呟く。
やっぱり、好きな人の好きな人は、どんな人でも気になるのだ。
当麻は眠りに落ちる前に、ちらりとステイルの見た。
仰向けに寝ている横顔と、綺麗な赤い髪が見えた。
あの赤い髪が好きだ。
そう、思いながら当麻は眠りに落ちる。
ステイルが近くにいる、心臓がドキドキする。
しかし、それ以上に彼の傍は居心地がいいのだ。

息が止まるほど近い距離、ここに彼がいる
しかし、息が止まるほど遠い距離、あそこに彼の心がある。


お題 byはちみつトースト


書いている間に日付が変わったーー!!
えーと、11月4日まで更新が出来ません。
日記の更新もたぶん。
暇だったら、もしかしたら、携帯で頑張るかもですが。
家に帰れないんですよ、4日間。
なので、また4日に会いましょう。

今回の先輩ROCKYOUは笑った。
桃李、カッコ良かったんだけど、隠されすぎてて、笑った。
でも、久しぶりにレッドが見れて嬉しかったなv

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