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注意!

戦国BASARAの舞台裏。
ゲーム上の時間軸をガン無視。
オリジナルキャラが出張ってる。
アニキがラブコメしてる。
腐女子が自重していない。

あ、駄目だ、と思った方は戻ってね!
大丈夫な方はつづきから!


用語
腐ール教
腐女子腐男子の集まり。
一種宗教化していて、BASARAキャラ(監督達含む)の同人作品を作ることに命をかけている。



いやー、七夕から書き始めて、今日までかかりました(笑)
だいたいのネタは入れ込んだけど、まだ書きたいネタはいっぱいあったよ。
まぁ、それはまたの機会に!

舞台裏の七夕

7月7日
この日は朝から雨が降っていた。
そんな雨が降る空を見上げ、市はポツリと呟いた。
「今日、雨が降っているのも、市のせい・・・。」
隣に居た長政は慌てて懐紙を取り出す。
「市!今からでもてるてる坊主を作れば止むかもしれないぞ!」
ほら、と長政は懐紙を市へと手渡たす。
「うん・・・。」
市はどことなく嬉しそうにてるてる坊主を作り始める。
そして、出来上がった頃に、小さく声を上げた。
「あ・・・。」
「どうしたんだ?」
てるてる坊主を作る手を止めて、長政は市を見る。
市は自分で作ったてるてる坊主を見せて、微笑んだ。
「長政様にそっくり・・・。」
愛する妻が自分そっくりのてるてる坊主を作ってくれた事に、嬉しくて、なんだか気恥しくて、長政は顔を赤くする。
そして、慌てて自分の作ったてるてる坊主に顔を描く。
「では、これは市、お前だ!」
作ったてるてる坊主を突き出せば、市はさらに笑う。
「ふふっ、長政様、へたっぴ・・・。」
「う、うるさい!」
下手だと言われてしまったが、長政は市が笑ってくれている事がとても嬉しかった。
悪を削除
そう書いた短冊。しかし、その裏には別の願いも長政は書いていた。
市と一緒に笑い合えますように。
(すでに願いが叶ってしまったな。)
長政は心の中で呟きながら、楽しそうに2個目のてるてる坊主を作り始める市を見つめる。
「今度は兄様を作るの・・・。あと、蘭丸と監督と濃姫様・・・。」
「・・・それは楽しそうだな。」
織田軍似のてるてる坊主が軒先に揺れている光景は、少し怖いが楽しそうだ。
長政は仕方がないので、呼ばれなかった明智の分を作ってやろうと、懐紙を丸め出した。
そして、全てのてるてる坊主が作り終わる時には、雨が止んでいた。
「おーい、長政ー、市ちゃーん!七夕祭りしよー!」
監督の元気な声が長政と市を呼ぶ。
その後ろにはわざわざやって来たのか、元親や三成の姿が見えた。
「うん・・・!」
市が嬉しそうに監督の方へと駆けだした。
今日はたくさんの市の笑顔が見れそうだ。

そんな楽しげな七夕祭りの最中に騒動が起きる。
「卿らの願いを頂こう。」
松永に皆の短冊が奪われてしまったのだ。

「あれ・・・短冊がない?」
気付いたのは皆の願いを見て萌を供給しようとしていた雑用であった。
勘兵衛と雑用の短冊は風に飛ばされ、刑部に拾われて皆の前で朗読されるという事件があったのでないのだが、それ以外の短冊もない。
政宗、幸村、元親、監督が競い合う様にして飾りを色々作ってしまったため、分かりにくいが本当に短冊だけがない。
「監督ー、短冊ないよー。」
「ふぇー?」
佐助特製の三色団子を頬張っていた監督が気の抜けた声で振り返る。
その周りで甘味同盟、幸村、毛利、三成も、なんだ、と雑用を見た。
「誰の短冊がないのー?風でまた飛んじゃった?」
次は金吾の?と監督が団子を手にしたまま笹へと近づく。
「ううん。全部ないよ?」
「はぁ?全部?」
雑用の言葉に監督は驚き、慌てて笹を見渡す。
皆も同様に笹を見上げた。
「貴様等が笹飾りを無駄に作るから見にくいではないか!」
毛利が笹を見上げながら監督と幸村に怒鳴る。
「あぁ!?少ないよりはマシじゃん!カラフルで綺麗じゃん!」
監督は笹から毛利へと目を移し、怒鳴り返す。
「ふん、貴様の頭には情緒というものがないようだな。多ければよいというものではなかろう。」
「そういうのは少人数で祝う時だし。今回は大勢で祝うから派手な方が盛り上がるじゃん。」
「そもそも七夕というのは・・・」
「だけど、それは・・・。」
話しが徐々に難しくなっていく監督と毛利。
「監督、言い合っている場合ではないぞ。本当に短冊がない。」
それを遮ったのは三成であった。
冷静な声が2人の言い合いを止める。
「・・・笹飾りが無事って事は風のせいではないね。」
「考えられるのは、誰かしらが盗んだ事だが・・・。」
監督と毛利が考え込む。
「候補はネタ集めに腐ール教。」
「大谷が願いを公開して我らの顔色で楽しもうとしておるかも知れぬ。」
毛利の言葉に三成が、刑部はそんな事しない、と怒鳴る。
「あー、それは明智もやりそう・・・。」
監督が嫌な顔をして、金吾をからかっている天海を見た。
いつの間にか天海になっていた。
「やりそうな人間はいくらでもいる。日頃から目障りな奴らぞ。まとめて懲らしめればよかろう。」
毛利が輪刀を取り出し、祭り会場へと目を移す。
「ちょっと待った。短冊も結構な量だよ。うち10枚ぐらい書いたし。会場にいる人達、持ってる様子ないけど?」
刑部をやるな、刑部を。三成が泣く。と監督は毛利を押しとどめた。
私は泣かない!っと三成が怒鳴っているが今はスルー。
「では、会場にいない人間が怪しかろう。」
毛利が改めて会場を見回した。
いない人間、それは・・・。
「ふむ、さすがお二人でござるな。息がぴったりでござる。」
今まで団子を食べるのに忙しかった幸村が感心したように言う。
「はぁ?」
「何?」
「何でもないでござる。某は何も言ってないでござる。」
しかし、監督と毛利の殺気を受け、普段空気が読めない幸村でもさすがに、前言を撤回した。
「よぉ、監督、毛利。」
そこへ元親が湯呑片手に現れた。
アニキ何それー?茶。ちょーだーい。
「難しそうな顔してどうしたんだ?」
元親は湯呑を監督に渡しながら尋ねる。
「長曾我部、会場にいない人間は誰ぞ。」
毛利は元親の質問など無視して、逆に尋ねる。
あのねー、短冊が無くなっちゃったんだよー、それで会場にいない人間が怪しいんじゃないかってー、あ、美味しいね、このお茶。
「んー、そうだな。」
監督の説明を受け、元親は考え込む。
「そういや、松永がいねぇな。」
元親の言葉に、毛利、監督、三成の顔が瞬時に苦虫を噛み潰したような顔になった。
とてつもなく嫌な予感がする。

「あーあー、七夕祭りの会場にいる皆の衆。祭りは楽しんでいるかな?」

屋根の上から、そんな上機嫌な声が聞こえ、会場にいた全員がそちらに顔を向ける。
「さらに祭りを盛り上げるための余興を用意したのだが、楽しんでいってくれ。」
そう言って、屋根の上にいる松永は、分厚い紙の束を取り出した。
「あーーー!!!短冊ーーーーー!!!」
監督がその紙の束を指さし、大きな声を上げた。
その言葉に会場の皆がざわめき始める。
「松永!テメェ、何する気だ!」
政宗が刀に手をかけ、松永を威圧する。
「くっ、そんなのは決まっているだろう。」
松永はそう言い、束から一枚の短冊を抜き取った。
「おや、これは信長公の短冊かね。ふむ、『天下統一』なんとも信長公らしい願いだ。しかし、小さな文字で何か書いてあるようだ。ほう、『家内安全』とは、いやはや・・・。」
「尾張の安全は我の利益に繋がる。尾張の安寧を望むは道理よ。」
信長はそう松永に言うが、ほんのりと耳が赤いので明らかに身内の事を願っているようだ。
「上総介様・・・。」
「信長様・・・。」
濃姫、蘭丸、監督がキラキラとした目で信長を見つめる。
この人に一生ついていこう、とその目は語っていた。
織田軍以外の面々は信長を違う目で見ていた。
(ヤバイ、これはすごく恥ずかしい。)
少し人に知られたくない願いを短冊に書いてしまった人達は顔を青くした。
「さて、次は・・・。」
松永がさらに短冊を読みあげようとする。
「Be quiet!テメェ、何しやがる!」
政宗が刀を抜き放ち、松永へと向ける。
「松永!止めやがれ!」
元親も碇槍を取り出す。
「ちょっ!?何してんの、アンタ!?さすがにやりすぎでしょ!」
佐助は屋根に登ろうと駆けだす。
「松永ぁ!!」
松永と因縁深い小十郎は怒りの籠った目で松永を睨みつけた。
おぉぉ、某の団子ぉぉぉ!と幸村が叫んでいるがこれは別件なので今はスルー。
「ふむ、『給料アップ 猿飛佐助』だそうだ(笑)」
松永の読み上げに屋根に登ろうとしていた佐助は思わず立ち止まる。
「ちょっと!(笑)って何!(笑)って!」
佐助は願うぐらいいいでしょー!っと嘆いた。
「すまんな、佐助。国の予算がひっ迫しておって。」
信玄が少し申し訳なさそうにしながら、頬を指でかく。
「予算がひっ迫するのは、大将と旦那が道場やら屋敷やらを壊すから、その修繕費がかかるからでしょうが!」
「しかし、いつの間にか壊れてしまっておるからの。」
わっはっはっ、すまんすまん。と信玄は豪快に笑った。
それに佐助はがくーっと項垂れる。
「Shit!武田の忍がやられた!」
政宗は舌打ちをし、どうやって松永を止めるかを考える。
「情けない奴だ!ここは私がいく!」
同じ忍であるかすがが駆ける。
「ほう、では次は君かな。」
松永は慌てずにかすがの短冊を取り出した。
「『謙信様とずっと、永遠に居られますように。』」
「ああ、私の美しい剣。」
謙信の周りになぜか薔薇が舞い散り始める。
「そんな事を願わなくても私はずっと貴女の傍にいますよ。」
「あぁ、謙信様・・・!」
もう2人の世界だ。
「予想通りだな!お前らは!」
政宗は怒鳴るが、もう怒りを通り越して呆れるしかない。
「次の短冊は・・・『天下統一 伊達政宗』ほう、達筆だね。」
政宗の動きがピタリと止まる。
「おや?裏にも何かが書いてあるね。」
松永がわざとらしく今気付いたと言う様に短冊を裏返す。
「HELL DRAGON!!」
雷撃を飛ばし、政宗は松永を攻撃するが、ひらりとかわされる。
「Shut up!その口を閉じやがれ!!」
「そう言われては、読み上げないわけにはいかないだろう。」
松永はくっ、と笑い、堂々と読み上げる。
「『俺の右目がいつまでも右目としていてくれるように』」
「Noooooooo!!」
「キャア!」
「も、萌!」
政宗、演出、雑用に1000の精神的ダメージ。
「他にも『演出が事あるごとに俺と幸村・小十郎とくっつけようとするのをやめてくれますように』こっちの方が切実のようだ。」
政宗はおそるおそる演出の方を見た。
ダメージの影響で幸せそうな顔をしている演出は、とてもいい笑顔でグッと親指を立てた。
その顔は、無理(ハート)と言っていた。
政宗に500の追加ダメージ。
「政宗様!!大丈夫ですか!!」
小十郎が慌てて政宗に駆け寄る。
しかし、心の傷は深いようで、政宗の目には涙が浮かんでいた。
主に追加ダメージの方がきているようだ。
「やべぇ・・・。」
政宗も撃沈した。
元親の額から冷たい汗がつぅ・・・と流れる。
「ええい、お前ら!あの短冊を取り戻して来い!内容は見ずに!!」
「そんなの無茶ですよ!!」
毛利が金吾と勘兵衛に命令をしているが、無理無理と断られている。
「次は・・・。」
松永は容赦なく皆の願いを読みあげる。
今はいつきの『豊作』や北条の『北条家再興』など無難な願いが読みあげられているから良いが、いつ自分の番になるか分からない。
「チッ、アニキ!毛利!刑部!仕方ないから共同戦線!」
監督がマシンガンを取り出し、松永へと向ける。
「ふむ、われと監督が短冊を読むのを妨害すればよいと言う事か。」
刑部の周りに球が浮かび上がり、ゆっくりと回転し始める。
「そして、我と長曾我部が屋根に登り、短冊を取り返すと。」
毛利が一つ頷くと、輪刀を手に駆けだした。
それに元親も続く。
「そんでもって、マシンガンの音で読まれても聞こえないってね!!」
監督がマシンガンを軽快に撃ち始める。
「おっと。」
松永は横に跳び、弾をかわす。
刑部が繰り出す球は剣ではじく。
「おや、短冊がー。」
松永はかわす中、さりげなく1枚の短冊を落とす。
しまったと言う顔をするが、言葉は明らかに棒読みだ。
「これは・・・石田さんの短冊ですね。」
そして、その短冊を拾ったのは、よりによって天海だった。
「あ、天海!三成の短冊返せ!!」
監督は思わずマシンガンを撃つ手を止め、天海へと怒鳴りつける。
「『秀吉様と半兵衛様の天下統一 刑部の病気が完治』ですか、仲間思いな願いですね。」
天海が静かになった隙に三成の短冊を読みあげる。
読むなー!と怒鳴っている監督はスルー。
「そして・・・『長曾我部と監督の幸せ』だそうです。」
天海が読みあげた三成の最後の願いに、元親と監督の頬が赤く染まる。
「ん?友の幸せを願うのは当り前であろう。」
三成は何がおかしいのか分からない様子だ。
「分かってる!分かってるよ、三成。でもね!書き方が!書き方が・・・!」
「いや、俺と監督は兄貴分と妹分であって、そういう・・・。」
監督と元親は赤い顔でブツブツと呟く。
三成は訳が分からない様子で、3で長曾我部は四国を、2で監督は主を、お前らの幸せを願って当たり前だろう!とメタな事を言い始めている。
それは三成も同じだー!!と元親と監督は叫ぶ。
「くっ、間接的に長曾我部と監督の戦意を喪失させるとは・・・!」
毛利が悔しそうに松永を睨む。
「やりおる・・・。」
刑部も悔しそうだ。
「・・・『身長』」
松永の笑みを含んだ声が会場に響き渡った。
ピクリ、と密かに毛利の肩が揺れる。
「『身長』」
松永が繰り返す。
毛利の殺気が僅かに強くなった。
「・・・大友宗麟。」
松永の笑みが、ニヤニヤと擬音語を伴っている。
む、宗重!私の秘密の願いが公開されてしまったではないですか!お前が早く取り戻さないせいですよ!!え、え~(そんな無茶苦茶な・・・。)
「ぷっ・・・。」
思わず噴き出したのは、三成と言い合いをしていて気付かなかった監督と元親ではなく、刑部であった。
「毛利、そなたは身長を気にしておったのか・・・。」
刑部は堪え切れないという様に、くっくっくっと笑い続ける。
「大谷・・・どうやら我の輪刀の錆となりたいようだな・・・。」
毛利の殺気が刑部へと向けられる。
それを刑部は不敵に笑い、受け止めた。
「喧嘩をしている卿ら注目だ。」
松永が手を叩き、三成達の意識をこちらへと向けさせた。
一触即発の毛利と刑部は気付いていない。
「『全人類に不幸を 大谷吉継』だそうだ。」
その願いに三成達は刑部らしいなーとしか思っていないのか、わざわざ注目させた意味が分からず、首を傾げている。
「ただし、注釈がついていてね。『豊臣・竹中・石田・長曾我部・監督を除く』だそうだ。そして『三成は無茶をせずに己の幸せを見つけよ』」
「・・・刑部。」
三成が感動の眼差しで刑部を見る。
その後ろで監督と元親が何やら相談している。
不幸にしない代わりに三成を幸せにしろって事かな?幸せか・・・俺らは石田のダチでいる事しかできねぇぞ?じゃあ、親友になる?親友ってどうなるんだ?んー、もっと一緒に遊ぶ?それじゃあ、今度3人で遊びに行くか!海だ、海!
次回の話は海の話フラグ。
「お、おのれぇ・・・!」
刑部が包帯で分かりにくいが顔を真っ赤にしながら松永を睨みつける。
「友人思いで良い願いではないか。君らしくないがね。」
くっくっくっ、と松永は本当に愉快そうに笑っていた。
「さて、次はお待ちかね。長曾我部元親と監督の願いだが・・・。」
三成、海だ、海!石田、今度海に行くぜ!急に何だ、刑部も一緒でいいか?もちろん!
楽しそうに三成と会話していた元親と監督の動きがピタリと止まった。
「まずは『世界一のお宝が見つかりますように 野郎どもがいつまでも健康でいますように 監督の」
「うわぁぁぁぁぁ、聞くな、監督ー!!」
元親は大声を上げて、監督の耳を両手で後ろから塞いだ。
これで松永の声は聞こえないし、真っ赤な元親の顔は監督には見えない。
「え、え、何!?」
急な元親の行動に監督は軽く暴れるが、元親の力が強いのでピクリとも顔が動かせない。
「あ、あぶねぇ・・・。」
皆には聞こえてしまっただろうが、肝心な人物には聞こえなくてよかった、と元親は安堵の息を吐く。
監督の笑顔が絶えませんように いつでも見られますように
妹分の幸せを願うのは兄貴分として当然なのだが、なぜかこの願いを聞かれるのは恥ずかしかった。
「うー、何~。」
監督が元親の手元で唸る。
元親の願いが聞けなかったのが、少し不服なようだ。
そんな監督がしばし唸った後、ハッと何かに気付いた様に目を見開く。
「アニキ、うちが聞いちゃいけない様な破廉恥な願いをしたのか!?」
監督は意外に18禁系な話が苦手である。それに自称永遠の17歳だし。
自分が聞いていけないと言う事は、そういう話なのだと解釈したようだ。
「あー、もういい。それでいい。」
元親はため息をつきながら、それを肯定した。
耳を塞がれていても、近くの音は聞こえている監督はそれに頬を赤く染めた。
「・・・アニキのエッチ。」
そして、蚊の鳴くような声で呟いた。
「っ~~~~。」
元親の顔が移った様にさらに赤くなる。
「・・・何ですか、あれ?」
その様子を見ていた天海が笑みを浮かべて呟く。
「襲っていいですか?」
「今動いたら、頭に風穴が開くわよ?」
その横で濃姫が笑顔で天海に銃を突きつける。
「うん、ちょっとでも動いたら君の頸動脈が切れるね。」
さらに反対側では半兵衛が剣を明智の首に付きつけている。
「嫌ですね、冗談ですよ。冗談。」
絶体絶命の天海は笑いながら、両手を上げた。
「時として女は恐ろしい生き物よ。」
くっ、と笑いながら信長が言う。
「待て、織田よ。半兵衛は女ではないぞ。」
それに秀吉が冷静につっこみを入れた。
「・・・監督、そこは『お兄ちゃんのエッチ』の方が萌える!」
「雑用さん、あんたちょっと黙れ。」
ダメージから立ち直った雑用が演出のつっこみで、すみません、と小さくなる。
「ふむ、次の短冊に行くとするかね。」
松永のその言葉で、監督は元親の手から解放される。
「『アニキの願いが叶いますように、むしろ叶えろ。 監督』」
「わっ、わっ!アニキ、聞いちゃダメ!ダメ!」
今度は監督の方が慌てて元親の耳を塞ごうとする。
しかし、身長が低い監督は、背伸びをしても届かない。
飛び跳ねても届かない。
金吾を無理矢理台にしても、元親が一歩下がってしまうので、塞ぐ事ができない。
「何だよ、別に減るもんじゃねぇし。それに、そんなに恥ずかしい願いじゃねぇじゃねーか。」
自分は監督に願いを聞かせなかった事を棚上げして、元親は監督の願いに嬉しそうに笑った。
「ありがとな、願い叶えてみせるぜ。世界一のお宝を見つけたら、監督に見せてやるよ。」
「え、あ・・・うん!」
監督は元親の笑顔に頬を赤らめ、そして、嬉しそうに笑った。
「おや、二重線で消された願いを聞かなくてもいいのかね?」
松永の言葉にキョトンと元親は屋根の上を見上げた。
ダメー!っと監督は再び元親の耳を塞ごうとするが、高さが足りない。
「アニキとずっと一緒に・・・ここで途切れているだが、続きは何かな?」
それを聞いた元親は無言で監督を見下ろす。
監督の顔は面白いぐらいに真っ赤であった。
「あ・・・う・・・ひ、秘密!秘密!ひみつーーー!!」
恥ずかしさの限度が越えたのか、監督はそう叫ぶと、信長の背に逃げるように隠れてしまった。
そんな監督に元親は思わず笑ってしまった。
しかし、その笑みはくすぐったそうな恥ずかしそうな笑みだった。
「・・・監督が不幸な目にあっているというのに、面白くないのはなぜだ。」
毛利がイラついた様子で呟く。
「ふむ、こういう時はリア充爆発しろ、と言えばいいだろう。」
刑部が変なアドバイスを毛利へと送る。
「リア充幸せになりやがれ。」
雑用が微笑ましそうな顔で言った。
「瀬戸内・・・瀬戸内がいいのに・・・。」
演出が何やら恨めしそうに呟く。
「次は最上氏か・・・『気品も美貌も何もかも揃っている我輩に願い事とは、いや~難しい!「最高のほうじ茶を入手」いやそれとも「政宗君が素直に我輩を認める」にするか?う~ん、迷うね!』」
松永の朗読を聞いた、演出と小十郎が無言で武器を抜く。
「小十郎、最上って素早いのがウザいよね。」
演出がニコリと笑う。
「では、俺が雷撃で動きを鈍らせよう。」
小十郎の刀がバチバチと帯電し始める。
「じゃあ、私が闇属性の武器で体力削るんで、政宗様、止めお願いします。」
演出の大鎌に闇が纏わりつき始める。
「・・・・・・・・・・・お、おう。」
2人の気迫に押されながら、政宗はなんとか頷く。
演出と小十郎は笑っているが、目がまったく笑っていないのが怖かった。
「今川の願いは『全国、まろの影武者化』」
「ふむ、ほら、まろの軍に前、戦闘力の高い女子がおったであろ?まろの影武者にと言ったら奥州へと亡命してしまったが、彼女がなってくれたら嬉しいのう。」
松永の読み上げに今川はうんうんと頷きながら願望を勝手に言い始める。
演出の笑顔が監督に向いた。
「監督!信長様達と家康とゆっきー達とコタ連れて、今川ヤッといてください。」
「え、あ、はい・・・。」
容赦のない人選と人数!?と慄きながら、監督は頷くしかできなかった。
「ザビー教の願」
「アニキ!島津のじっちゃんと就様と三成達でヤッといて!」
「え、あ、おう・・・。」
オーラがこえぇ!!と元親も頷くしかない。
「演出の願いは『目障りな奴らの滅亡』だったね。」
松永の言葉に会場の皆が、あぁ、演出だ、と納得する。
「ふむ、我輩は逃げるとしようかね。」
最上が一目散で会場から逃げ始める。
「オォ、タクティシャ~ン、目覚めなさ~い。」
ザビーは毛利を仲間にしようと催眠術の真似事をし始める。
「なっ、わ、我は!」
それにかかりそうになる毛利。
「はっ!毛利がサンデー化し始めてる!毛利とザビーを一緒にやるチャンス!」
監督が嬉々として、ザビー討伐組へと加わろうとする。
「アニキー!!監督が加わる前にザビーを討てー!」
演習が最上を追いかけながら指示を飛ばす。
「・・・監督、とりあえず落ち着けや。」
監督が通り過ぎる所を元親は腕を掴み、止めた。
途端、監督の顔が真っ赤に染まった。
まだ先程の騒動が尾を引いているようで、にゃー!と奇声を発しながら、今度は家康の後ろへと隠れる。
ちょっと寂しそうな元親であった。
「・・・監督。」
家康が微笑みながら後ろに隠れてきた監督をチラリと見る。
「わしの願いを叶えてくれてありがとう。」
「・・・家康の願いは『絆』じゃないの?」
監督は不思議そうに家康を見上げた。
「『絆』はわしの目標であって願いではない。絆を結んだ先にあるもの・・・それがわしの願いだ。」
会場の大騒ぎを見つめて、家康は笑う。
「『皆と楽しく祭りや宴ができるように』これがわしの願いだ。だから、今日この祭りを開いてくれた監督に感謝する。」
「・・・絆と絆を繋ぐ者、それがうち、監督だから!」
ありえない絆も時を超えた絆も全て繋ぐ事ができるのは・・・監督だからである。
監督は元気よく駆けだし、短刀と短筒を構えた。
「じゃあ、裏固有技、いっくよ~!ほあたぁ☆」
「ぎゃぁぁぁぁ!!」
なぜか元親の悲鳴が上がった。
「・・・よし、忠勝!わしらも行くとするか!」
家康の快活な声に、忠勝がギュイィィンと元気よく返事をする。
「目指すは今川だ!」
織田に続く様に家康は戦線に加わった。
しかし、すぐに戦況は混戦へと移行し始める。
もう誰が味方で誰が敵か分からない状態だ。
「・・・やれやれ。」
そんな皆の様子を見て、松永は飽きた様で屋根から飛び降りると、短冊をそこらへんにいた金吾へと手渡す。
「戻しておいてくれ。」
「は、はい。」
金吾は頷き、慌てて笹へと向かった。
それを見届けて松永は歩き出した。
「私を差し置いて宴とはいただけないな!」
松永が指を鳴らすと、爆発音がいくつか上がる。
「なぜじゃあああああ!!」
それに巻き込まれた勘兵衛が吹き飛ぶが、誰も気にせずに戦い続ける。
「真田幸村ぁぁああ!!!」
「伊達政宗ぇぇええ!!!」
「家康ぅぅうう!!!」
「三成ぃぃいい!!!」
「監督ぅぅうう!!!」
「毛利ぃぃいい!!!」
「蒼紅ぅぅぅうううう!!!」
「関ヶ原ぁぁぁああああ!!!」
「おい毛利!お前のライバルは俺だろうが!演出と雑用は自重しろ!そして、監督は俺を戻せぇぇぇええええ!!!」
「姫若子は正義!」
監督は良い笑顔で叫び、短刀を毛利へと振り下ろすが、輪刀で阻まれる。
その衝撃波が梯子の上の金吾を襲う。
「あ!短冊が!」
なんとか落ちる事を免れた金吾だが、持っていた短冊が全て吹き飛んでしまった。
そして、一枚の短冊がふわりと舞い、静かに落ちる。

『皆の笑顔』

会場が皆の笑顔で満たされていく。
「Let’s Party!」
 

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