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上イン
ふと目覚めると、とてもいい匂いがした。
見慣れた天井。
ここは、とうまの家だ。
その天井からキッチンの方へと目線を下げると、長身の女性がエプロンをつけて、何か作っていた。
「・・・おや、目を覚ましましたか?」
視線に気づいたのか、彼女が振り返った。
「かおり・・・おはよー。」
自然と出てきた呼称。
「おはようございます。朝食はもうすぐできますから、先に顔を洗ってきてください。」
「うん・・・。」
インデックスは目を擦りながら、起き上がり、立ち上がった。
そこで、ふと気がつく。
「あれ?とうまはー?」
いつも神裂の代わりに料理を作ってくれている当麻がいない。
「とうま?」
神裂はきょとん、とした様子で聞き返してきた。
あれ?と思いながらも、インデックスはさらに尋ねる。
「とうまだよ、とうま!かみじょう、とうま!」
神裂はいつも苗字で呼んでいるため、名前だけじゃ分からなかったのかと思い、インデックスはフルネームを言う。
「・・・かみじょう、とうま?誰ですか、それは?」
神裂の反応に、インデックスは愕然とした。
あんなにも一緒に戦っていたのに、時には、一緒に遊んでいたりしたのに。
「とうま、いないの?」
存在、しないの?
「ええ、とうま、という人はこの部屋にはいないですよ?」
分からないなりにも、神裂は律義に応えてくれた。
しかし、それはインデックスの感情の引き金を引いた。
「インデックス!?」
神裂の声も構わずに、インデックスはパジャマのままで家を飛び出した。
当てのないままインデックスは学園都市を走る。
登校中の土御門を発見し、インデックスは突撃するように「とうまは!?」と尋ねた。
土御門はインデックスの勢いに驚きながらも、答える。
「とうま?誰なんだにゃー?」
インデックスは泣きそうな顔を浮かべ、それに答える事もなく再び走り出した。
短髪がいた。
彼女なら知っているはずだ。
ムカつく事に短髪はとうまとそれなに仲が良かった。
いつもなら、ムッとするところだが、今日はその事実が有難かった。
「短髪!」
「ど、どうしたの、あんた!そんな格好で!?」
呼びかけると、まずそう驚かれたが、構ってられない。
「そんな事より!とうまは?とうまはどこにいるの?」
「はぁ?」
短髪は怪訝そうな顔をする。
それに不安を覚えながらもインデックスは捲し立てる。
「とうまだよ!かみじょうとうま!短髪なら知ってるでしょ!なぜだか分からないけど、皆とうまの事を知らなくて・・・。」
「ちょっと!ちょっと待って!」
短髪の大声で遮られた。
「まずは落ち着きなさいよ。」
「・・・うん。」
短髪の言葉に、自分が他人の言葉も聞けないほどに焦っていた事に気づく。
これでは、短髪も答えられないじゃないか。
インデックスは素直に頷き、息を吐く。
「落ち着いた?」
インデックスは頷き、短髪の顔を見る。
「じゃあ、質問していい?」
さらに頷く。何を聞いてくるのだろうか。やはり、このとうまの事を皆が知らないという現状の把握を―――
「とうまって、誰?」
「―――――――――え?」
バッと目が見開く。
ハァ、ハァ、と自分の荒い息が聞こえた。
さっきのは夢だったのだ。
その事にインデックスは、安堵の息をつく。
「・・・あれ?」
しかし、気付いてしまう。
見える天井がとうまの家の物ではない事に。
起き上がり、辺りを見回すと、洋風な部屋で、ベッドと丸テーブルに椅子が2脚、そしてほとんど本が入っていない本棚。
それだけのシンプルな部屋だった。
カーテンのかかった窓を覗くと、外は暗く、まだ夜の様だ。
ここはどこだろうと思い、とうまどこにいるのだろうと思い、インデックスは扉から部屋を出た。
すると、夢とは違い、ステイルにあった。
「ステイル、とうまはどこにいるの?」
そう尋ねると、ステイルは無表情を浮かべた後、苦笑を浮かべた。
表情の変化の違和感にインデックスは首を傾げた。
「まだ、ロシアだよ。後片付けの手伝いに捕まってしまったらしくてね、まだまだこっちに来るのは時間がかかるそうだ。」
その言葉に、自分たちの今の状況を思い出す。
「そっか、とうまは世界を守った英雄なのに、皆扱いが酷いかも。」
「・・・まぁ、今回は同感かな。最後の最後にド派手な不幸をやらかして、僕たちの後始末を増やしてくれたから、さっさと帰って来てくれないと文句を言うとか、殴るとかが出来ないからね。」
「・・・ステイル、ちょっと目が怖いかも。」
「・・・・・・まぁ、でも、ちょっとは労ってやりたいけどね。」
ムスッとした表情で言うステイルに、インデックスは思わず笑ってしまう。
「じゃあ、とうまのおかえりパーティーをしたいな!」
「・・・そうだね、じゃあ、ケーキを用意しないといけないな。」
「ケーキ!?5段重ねくらいのケーキがいいかもー!」
「・・・それじゃ、ウェリングケーキだと思うんだが・・・。」
痛々しいインデックスの姿。
最後の場面に立ち会ってしまったような僕が一番分かっている。
当麻は二度と帰って来ないのだという事が。
でも、つい、ついてしまった嘘。
見れた笑顔。
僕はこの嘘をどこまで通す事ができのだろうか。
「早く、帰って来いよ・・・、上条当麻・・・!」
でも言わずにはいれない。
願わずにはいれない。
どうか神様、自分は人を殺めて、しかも、嘘までついた大罪人ですが、どうか、この小さきシスターのためにこの願いを叶えてください。
彼女の愛しい人が、彼女の元に戻ってきますように。
最後だけ、上イン←ステ。(つい上ステと打ってしまったのは内緒)
やはり、当麻の死の衝撃を未だに引きずってる麗吹です。
生きてるはずと分かっていても・・・!
こういうネタが浮かんでしまう・・・・!
早く続きが読みたいよ!!