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Know Love ⑤


携帯のアラームを3時にセット。
「じゃあ、いくよ。」
「おう。」
声をかければ気合いの入った声が返ってきた。
「・・・・用意、スタート。」
2時半ちょうどにステイルは合図を告げる。
すると、当麻は無言で一枚のプリントへとシャープペンを走らせ始めた。
そのプリントは、ステイルが問題集を参考に作った、簡易的なテストだった。
昨日と今日の午前中の成果を図るために行い、このテストの結果次第でどうやって指導していくかの指針が分かる。
しかし、当麻がテスト中は暇なので、ステイルは静かに立ち上がり、キッチンへと向かった。
昨日作れなかったスコーンを作るためだ。
不良や少女に追いかけられながらも買ってきた小麦粉を取りだし、料理を開始する。
「ん~。」
時折、当麻が悩んでいるようで、唸っている声が聞こえてきた。
ステイルの顔に思わず笑みが浮かぶ。
少し意地の悪い問題を入れておいたから、そこで躓いているのだろうか。
それ以外の問題だったら、午前中にやったばかりのところが多いので、一からやり直しだ。
どのように教えようかと考えながら、ステイルは料理を進める。
時折、当麻の顔を盗み見る。
とても真剣な顔。
今、その顔を見ているのは自分だけだという、嬉しさ。

あと、1日、そうやって独占できる。

スコーン!と喜んでいる当麻を横目に、ステイルはテストを採点する。
ひっかけ問題以外は、存外正解率が高かった。
ゆっくりと理解していけば、当麻は出来るのだ。
しかし、時間もないので、教える時は早く理解してもらえるように、もう少し言葉をかみ砕くべきなのだろう。
「そういえば、ステイルは明日の何時に帰るつもりなんだ?」
当麻がスコーンを食べる手を休めて、そう尋ねてきた。
「そうだね、16時の飛行機で帰るつもりだから、15時にはここを出るつもりだ。」
「そん時は、上条さん、飛行場までお見送りしちゃいます。」
「・・・別にいらないが、行為は貰っておいて損はないからね。許可するよ。」
「許可制!?お見送りに許可がいるのかよ!?」
「君だから、仕方がないじゃないか。」
「俺だから!?つまり、インデックスさんだったら、無許可!?」
「彼女の行為を無下にする奴は殺す。」
「・・・した事はないけど、絶対しないようにします。」
そう言い合いながら、2人は午後のお茶を楽しむ。
ふと、当麻の口元に目を向けると、スコーンの欠片がついていた。
ステイルは思わず手を伸ばす。
「君はだらしがないな。ついてる。」
「ん、サンキュ。」
当麻は大人しく、ステイルの手が欠片を取るまでじっとしていた。
取った欠片は皿へと落とす。
「・・・んー、なんか新婚みたいだ。」
不意に当麻が真顔で言う。
「いや、ステイルさん?そんなに嫌そうな顔、しないでくれませんか?確かに俺たちは男同士だけど、そんなこの世の終わりが来たとしても、それだけは絶対に嫌だ、見たいな顔は、さすがの上条さんでも傷つくから!」
「気色悪い・・・。」
「とどめの一言ー!」
そう叫んで、当麻が机に突っ伏す。
嫌に決まっているではないか。
当麻にはインデックスがいるのだから。
それなのに、そんな事を言われたりするのは、本当に嫌だ。
「・・・君はバカだね。」
ステイルは小さく呟いた。






準備が忙しかった行事も終わり、後はレポートとかテスト勉強だけなので、前みたいなペースで日記を更新できるかと。
つまり、土~火に更新です。
水~金はレポートや実験があるので、更新は少し無理かと。

次の日記は、Know Love ⑥かな?一応ネタはあるので。

ホームページの方は Last Smile  の続きを更新出来たらなー、と思います。

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