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暗闇でも見える君 ②


「君の後ろから迫ったイノケンティウスに気をとられていたから、攻撃が当たったんだろうね。」
病院へ行く途中、ステイルはそう言っていた。
とりあえず、お嬢様はアンチスキルに任せて、当麻達は目を見てもらうために、いつもの病院へと向かう事にしたのだ。
当麻の右手首は、ステイルの左手に掴まれていた。
「だよな、まさか当たるとは思ってなかったし。」
そう気軽に返すが、意識の半分はステイルの手に向かっていた。
人より体温が低く、手は冷たいと思っていた。
そんなイメージを持っていた。
しかし、ステイルの手は暖かかった。
夏だからか、少しだけ汗ばんだ感触があるが、不快ではない程度だ。
ゴツゴツとしたシルバーリングが、正直痛い。
しかし、掴んでいてもらわないと、何かに躓き、転びそうだし、道も分からない。
「君の右手で治らないって事は、化学薬品か・・・。」
ステイルが不安そうに呟く。
一応、治るかと思い、右手で目に触れてみたのだ。
だが、暗闇は消えず、目は見えないままだった。
「・・・治るかな~。」
もし、一生このままだと思うと、最悪だ。
もう大切な人を守れない。
「まさか、あんな攻撃に出ると思わなかったからね。・・・対応が遅れたよ。」
チッと、ステイルの口から舌打ちが漏れた。
「仕方がねーって。それに、結果的には倒せたんだから、いいじゃねーか。」
「だがっ・・・。」
不意に大きな声に当麻は思わず立ち止まる。
「・・・何でもない。」
しかし、言葉の先を言わずに、ステイルは歩きだしてしまった。
仕方がなく当麻も歩きだした。
ステイルの歩調はとても、ゆっくりで、歩きやすかった。
さりげなく段差も避けてくれる。
ぶつかりそう、信号が赤、など、ぶっきら棒にだが、ちゃんと注意してくれる。
そんなステイルの優しさに、ふと思った。
嫌っている人間にこれ程優しいのだから、好きな人にはどれだけ優しいのだろうか。
インデックスとステイルのやり取りを思い出して、なぜか、少しだけ、インデックスが羨ましいと思ってしまった。



「2・3日で治るよ。」
カエル顔の医者はあっさりと言った。
そして、そのまま帰されてしまった。
「ほっ、とはしたけど・・・どうするかなー、2・3日も。」
学校は不幸な事故で目が見えなくなったとでも言えばなんとかなる。
しかし、普段の生活が一苦労だ。
インデックスに頼るとしても、トイレや風呂は無理だろう。
土御門や、青髪ピアスとかには死んでも頼みたくない。
「・・・・・・。」
当麻は、自分の右手首に意識を向けた。
ステイルの手が、ある。
彼に頼もうかと思ったが、すぐに、無理だと否定する。
たぶん、明日にでも、彼は、イギリスに帰ってしまう。
「・・・上条当麻。」
不意に呼ばれて、当麻は慌てて声が聞こえた方へと顔を向けた。
だが、彼の顔は見えない。
「今回の事件は長引くと思って、後2・3日ここに滞在する予定だったんだ。」
「え・・・。」
耳を疑った。
「君の目には、僕も責任の一端はあるからね。仕方がないから、助けてあげるよ。」
「あ・・・お願い、します・・・。」
ステイルが、こんな事を言ってくれるとは思わなかったから。
「何で、そんなにしどろもどろ何だい?」
ステイルの怪訝そうな声に、当麻は慌てて言い訳をする。
「いや、だって、珍しくステイルが優しいから・・・。」
「ただの、責任取りだ。別に優しさからの行動じゃない。」
少し早口のステイルの言葉。
当麻は目が見えない事をいい事に、ステイルの表情を勝手に想像していた。
少し、照れくさそうに頬を染めていたら、いいな。
不意に、自動ドアの音がして、空気がひんやりとしたものに変わった。
「じゃあ、荷物を取ってきて、チェックアウトしてくるから、待っていてくれ。」
そう言われると同時に、トン、と押されて、椅子に座らされた。
どうやら、ここはホテルのロビーのようだ。
(最初から、俺の生活を手伝ってくれるつもりだったんだな・・・。)
でないと、当麻の寮と方向が違うホテルがある学区には、こうもすぐには着かない。
(・・・勘違いしそうだ・・・。)
ステイルと仲良くなれたと。
良い友達になれたと。
(でも・・・ステイルは俺の事が、嫌いなんだろうな~。)
インデックスの横。
それは、かつて、ステイルがいた場所。
奪ってしまった当麻を憎むのは当たり前。
優しくしてくれるのは、当麻の目の責任がステイルにもあるらしいから。
それがなければ、こんなにも優しくしてくれないだろう。
(・・・少しだけ、敵に感謝かな。)
「上条当麻、行くぞ。」
声をかけられ、また右手を掴まれる。
当麻は立ち上がり、歩き出した。
「ステイル、2・3日、よろしくな。」
そう言えば、言ってなかったと、当麻は伝えた。
「責任の分だけは働くよ。」
ステイルが無愛想に言う。
それでも、当麻には嬉しかった。
 

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暗闇でも見える君 ①


「本当にしつこいわね。」
金髪ツインテールというどこぞの英国風お嬢様みたいな魔術師が、髪をはらいながらため息をついた。
その優雅さに当麻は、そいつが今まで激闘を行っていた敵なのかと疑いたくなった。
「これで、勘弁してくれない?」
しかし、英国風お嬢様は、壮絶な笑みを浮かべ、持っていたゴブレットを傾ける。
途端に大量の赤い液体が津波のように当麻へと襲いかかってきた。
最初はこの大津波に驚いたが、当麻は慌てずに右手を津波へと突きだす。
すると、右手が触れた所からモーゼが行ったように波が二つに裂けた。
大津波といえど、所詮魔術で作り出したもの。
当麻の右手に宿る幻想殺しの力の前では無力だ。
横を熱風が駆け、当麻は思わず目を顰める。
ステイルが割れた波間を炎剣と共に走り、お嬢様めがけて炎剣を振るった。
「私は、ほんのちょっとだけ、学園都市が混乱してくれればいいだけなんだけど?」
お嬢様は、赤い液体で作られた槍で、炎剣を受け止める。
手の部分にはフォークの様な物が見える。
「それが迷惑だと言っているんだ。僕の仕事が増える。」
ステイルが不機嫌そうに呟き、お嬢様から距離を取った。
そして、すぐさま炎剣を振るう。
今度は一度だけではなく、何度も。
しかし、お嬢様はそれを容易く、受け止めていた。
「大変ね。イギリス清教の魔術師は。」
「巻き込まれるこっちの方が大変だけどな!!」
隙を見て、当麻はお嬢様の背後に回り込んでいた。
ステイルが大振りで炎剣を振り回していたのは目くらましの意味もあったのだ。
思わず槍を向けるお嬢様だが、当麻の右手が槍に触れると、一瞬で破裂するように消えてしまった。
お嬢様は慌てて距離を置き、新たな槍を作り出す。
「・・・やっぱり、邪魔ね。その右手。」
お嬢様が顔を歪める。
そして、胸に指していた一輪の赤いバラを取りだす。
途端、鞭のように赤い液体が当麻達へと襲いかかって来た。
それをステイルは炎剣で、当麻は右手で受け止める。
「あらあら?この手は先程、貴方達が行ったモノよ?」
当麻のすぐ後ろからお嬢様の声が聞こえた。
「しまっ!」
当麻は慌てて振り返り、右手を突きだす。
しかし、その攻撃は魔術や超能力といった異能の攻撃ではなかった。
液体が右手にかかり、阻みきれなかったものが当麻の目にかかった。
「ぐっ、あ!」
目に焼けるような痛みが走る。
敵が目の前にいるというのに、目が開けていられない。
「上条当麻!!」
ステイルの声と、熱気が当麻に届く。
「大丈夫かい?」
珍しく心配な声音がステイルの口から出た。
思わず、大丈夫、と言いかけて、当麻は言葉を飲み込む。
「ステイル、ごめん。目が見えない・・・。」
目の前が完全なる暗闇だった。
本来は目を閉じていても、瞼から透ける光が見える。
しかし、今は黒色しか見えなかった。
「さて、これで邪魔者は消えたわ、ね!!」
お嬢様の声に被って、風を切る音が聞こえた。
バラから作られたムチが振られたのだ。
「くそ・・・。」
視覚に頼り切っていた当麻には、音だけでは状況が判断できない。
そして、ステイルだけでは水を扱うお嬢様には不利なのだ。
どうすればいいか、当麻は必死で考える。
しかし、その間にも、風切り音は当麻達に近付いてきている。
「借りるよ。」
ステイルが小さく呟いた。
そして、右手に暖かい何かが触れた。
ステイルの手だ。
炎の近くに居た所為で、熱い掌が当麻の右手に触れ、手首を握った。
ゴツゴツとした感触は、たぶん、ステイルが嵌めているシルバーリング。
当麻は掌を広げた。
右手が持ち上げられて、前へと突きだされる。

パンッ

何かが弾けて消えた。
たぶんそれは、お嬢様が振っていたムチ。
「消せても、攻撃ができないんじゃ、駄目なんじゃない?」
クスクス、と笑い声が聞こえた。
「大丈夫だ。もう十分、目くらましはできたからね。」
ステイルが笑みを含んだ声で言う。
「イノケンティウス!!」
ステイルの宣言。
感じる熱気が一気に増した。
「くっ!こんなの隠してたとは、ね!」
バシャンと、波の音がした。
しかし、すぐにジャワッと水が蒸発する音が聞こえた。
たぶん、お嬢様が津波を起こしたが、イノケンティウスの熱気で、蒸発してしまい、攻撃が不発に終わっているのだろう。
「なっ!?何で炎が消えないの!!」
お嬢様の驚愕の声が響き渡る。
その後、断続的な波の音と、蒸発の音が響く。
お嬢様がゴブレットから水を出し続けているのだろう。
「上条当麻、一瞬だ。」
ステイルが言った。
無茶だろう、と思ったが、やるしかない。
風切り音と共に、熱気が高まり、先程より大きな蒸発音が聞こえた。
その時、当麻は熱気の塊を通り過ぎ、駆けた。
左手で、波の壁を伝いながら、当麻はさらに駆ける。
イノケンティウスの攻撃で割れた波。
一定間隔にある波の壁を頼りに、当麻はお嬢様を目指す。
「いやっ!」
もう少しという所で波音が迫る。
しかし、それは居場所を知らせる決定的な音。
当麻は迫った波を右手で消した。
「そこかぁぁぁぁぁ!!」
聞こえた声、そして、攻撃の音。
当麻は勘だけを頼りに拳を振るう。
そして、拳は人を殴りつける感触を正しく伝えてくれた。
 

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※一応注意書き※
 ディープキス表現ありますよー。
 思いっきり軽いけれども。


Know Love ⑧


唇を静かに離す。
「ステイル・・・。」
呆けた顔をした当麻が目の前にいた。
「僕は・・・。」
君の事が好きだ、そう続けようとして、ステイルはできなかった。
自分と彼は男同士だ。
そして、彼には好きな人がいる。
渡さないと宣言したが、具体的にどうやって彼を自分へと引きとめる方法など、知らない。
どこか遠くへ、彼が行くなんて・・・。
「ステイル、俺、大切にする!」
「・・・へ?」
不意の当麻の力強い声にステイルはキョトン、としてしまう。
その間に当麻はステイルの手を両手で握り、まっすぐとこちらを見てくる。
「俺、ステイルの事、大切にする。この世界で、一番大切にする。」
言葉が出なかった。
彼はその言葉を誰に向かって言っている?
「ステイル、俺、お前の事が好きだよ。」
先程、ステイルからしたのとは正反対に優しいキスが、当麻から贈られてくる。
目を閉じ、その感触を味わい、離れそうになると、思わず、今度は自分からキスを贈る。
「・・・ステイル。」
そうして、長く甘いキスを終えると、当麻がひどく嬉しそうに呼んだ。
「襲っていい?」

ガンッと痛そうな音が隣の土御門の部屋まで届いたそうだ。

「うう~、せっかく恋人になれた日の初めての夜が~~。」
当麻が頭を殴られたショックで気絶し、目覚めたのは翌日の朝だった。
ステイルはそんなウジウジとしている当麻を無視し、朝食を作るためにキッチンに立っていた。
「君はデリカシーがなさすぎる。いくら男同士でもムードっていうのは必要じゃないのかい。」
出来たサラダ、そして目玉焼きトーストを運びながら、ステイルはため息をつく。
「そっか~、じゃあ・・・。」
席に着いたステイルの腕を当麻が引く。
体が傾き、自然と当麻の傍へと寄る事になる。
不意に耳元に甘い声が聞こえてきた。
「抱きたい。」
ステイルの顔が一瞬で赤に染まる。
何かを言う前に、当麻はステイルの口を塞いできた。
驚いているすきに、舌が入れられる。
「ん・・・ふぁ・・・。」
水音が響き、ステイルの頭が快楽でぼんやりとし始める。
もっと、ほしい。
彼が、もっと・・・。
「って!今は夜じゃなくて朝だーーー!!」
何とか理性が欲望に勝ち、ステイルは当麻から離れ、叫んだ。
「ちぇ~。」
当麻は悪びれた様子もなく、それどころか、嬉しそうに笑っていた。
流されそうになった自分が恥ずかしく、ステイルはその笑顔から目をそらす。
「じゃあ、また今度、ステイルと二人っきりになれる時な。」
「いつになるか分からないけどね。」
当麻は笑いながら、ステイルは恥ずかしさで俯きながら、まずは朝食を取るのであった。







ハッと気付いたら、朝っぱらから2人が思いっきりイチャイチャしてました。
どうやって収集をつけようかと、悩む書き手な麗吹です。
皆さんの予想通り、上ステendなわけです。
あ、でもまだ1話あるよ。
ネタが思いつき次第では2話に増えるかもね!

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Know Love ⑦

今日も2人は並んで布団で寝ていた。
隣に当麻がいる。
そう思うと、なぜかステイルは眠る事ができなかった。
昨日は普通に眠れたのに。
(一日にしておくべきだったか・・・。)
二日間ずっと彼といた。
彼を独占できた。
だけど、もっとと思ってしまう。
もっと、彼といたい。
もっと、もっと、彼を独占したい。
でも、それは叶わない事だ。
明日の15時にはここを出て、たぶん、15時半頃には別れている。
別にもう会えないわけではない。
魔術関連の事件が起きれば、当麻と共闘できるだろう。
しかし、それでは、こんなにも平和の中で、ゆっくりと、彼と過ごす事なんてできない。
(・・・平和なんて、僕には必要なかったのに・・・クソッ!僕はどうして、こんなにも弱くなったんだ!)
当麻が変えていく。
インデックスを変えて、ステイルを変えて、他の皆も敵味方関係なく、当麻は変えていく。
(ああ、でも・・・弱い僕だけど、彼女と彼がいて、そして、僕がいたいと願う事が出来るこの平和を・・・。)
だが、その変化はとても・・・。
(守れるほど、強くなりたい。)
居心地がいい。

「ステイル、起きてるか?」

不意の呼び掛けに、思わずステイルは肩を震わせてしまった。
「・・・起きてるよ。」
しかし、声にはそれを出さずに、応えた。
「ちょっと、聞きたい事があるんだけどさ・・・。」
当麻の声は、とても軽い調子だった。
だから、ステイルは油断していた。
「なんだい?」
「インデックスより大切にしたいって思える奴ができたら、ステイルは怒るよな?」
その言葉を聞いて、咄嗟には何も言えなかった。
「・・・っ!許すわけがないだろう!彼女がどれだけ君を思っているのか知っているのか!」
ステイルは布団を勢いよく跳ね、起き上がりながら当麻の方へと向いた。
当麻はこちらに背を向けて寝ていた。
「彼女は明らかに君に好意を抱いていて、それを君は蔑ろに・・・。」
違う。
ふと思った。
これは、まったくのエゴだ。
「・・・僕の大切な人を、助けたかった人を、君は軽々しく助けて・・・。」
本音は、彼女のためじゃない。
「・・・僕の代わりに、すぐ傍で大切にしてくれよ・・・。」
自分が出来なかった事を、彼に押しつけているのだ。
「・・・代わりなんか、できるかよ。」
不意に当麻の声に怒りが帯びた。
当麻は起き上がり、こちらを向く。
「なに弱気な事言ってんだ!前に言ってただろうが!どんな事をしてもインデックスを守るって!その覚悟はどこにいきやがった!俺に押しつけんな!お前に出来る事は、お前にしかできないんだよ!いいか!俺はお前ほどインデックスを大切にしてて、信用できる奴を知らない。いつか、誰かにインデックスをまかせる時が来たら、絶対に俺は、お前にインデックスをまかせる!」
「だったら、君の方が僕におしつけているじゃないか!彼女より大切な人ができた?それで、彼女がお荷物にでもなったと言いたいのか!?」
「違がう!インデックスを一緒に大切にしてくれると確信しているからだ!そいつが、インデックスを大切にしてくれるから、俺はそれ以上にそいつを大事にしたいと思ってるんだ。そうすれば、インデックスも、そいつも、大拙にできる。」
当麻は確信を持った目で、言いきってきた。
「・・・誰だい?そいつは・・・。」
「・・・・・・それは・・・。」
当麻の言葉が澱む。
先程までステイルへの説教めいた言葉をスラスラと言っていたのに。
それに怒りで理性が焼き切れた。
インデックスが当麻に好意を持っているから。
自分の代わりに、すぐ傍で大切にしてほしい。
すべて本音だが、表面上にすぎない。
一番奥底の感情が口から出てしまった。
「・・・渡さない。」
「え?」
当麻が戸惑った顔をするが、そんなものは無視だ。
「君をインデックス以外の奴に渡さない!」
ステイルは当麻に噛みつくようなキスをした。






当麻とステイルが勝手に動く・・・(泣)
口喧嘩の辺りから、どうやって軌道修正しようか悩んだ;
そのせいで、一部会話が書けなかった。

さて、さて、後2話ぐらいで終わるかな!


LSですが、適役の能力が決まらず、進まない・・・。
う、うーん;

拍手[3回]

Know  Love ⑥


「銭湯に行こう!」
夕飯後、当麻は突然、そう言った。
異論がなかったステイルは頷いた。
着替えとタオル、財布、携帯をビニール製の鞄の中に詰め込み、2人は家を出た。
もうバスもない時間なので、2人はゆったりとした歩調で夜道を歩く。
幸い、銭湯は当麻の住む寮から近い場所にあった。
バイトの番頭にお金を払い、脱衣所へと入る。
「お、珍しいな。」
当麻が誰もいない脱衣所に驚きを示す。
「今日は上条、お前たちの貸し切りだぜ。」
番頭がこちらへと顔を出す。
「お、ラッキー。」
喜びを顔に浮かべる党。
広い風呂を独占できるのは、ステイルも少なからず嬉しかったので、こちらも笑みを浮かべる。
早速脱ぎ始める当麻へとステイルは尋ねた。
「番頭の彼はクラスメイトか何かかい?」
「ああ。寮も近いからここでバイトしてるんだって。」
「ふぅん。」
この学園都市の人口のほとんどが学生だ。
そして、ある程度は学校ごとで固まって生徒は住んでいる。
なので、寮付近は自然と知り合いと顔を合わせる事が多いのだ。
そう、当麻がいつか話していたのをステイルは思いだす。
服を脱ぎ、タオル一枚で風呂場へと入ると、そこには本当に誰もいなかった。
「広いな・・・。」
実は銭湯に来るのが初めてのステイルは、思わず仲をキョロキョロと見回してしまう。
「だろ。」
そんなステイルの様子に当麻は満足そうに言った。
最初に、体に湯をかけて、そして、ゆっくりとお湯につかった。
「・・・やっぱり、ステイルの肌、白いよなー。」
当麻がステイルの体をしげしげと眺めながら言う。
「これでも焼けてる方だよ。僕は火を使うだろ。」
そう言って、ステイルは自分の腕を当麻の腕へと近づける。
確かに、東洋人である当麻の肌よりも、ステイルの腕は白かった。
その腕を当麻がいきなり撫でてきた。
「っ!?」
ぞわっとした感覚に、ステイルは慌てて当麻から離れる。
「急に何をするんだ!」
「いや、さすが14歳。肌がすべすべだ。」
当麻はいたって真面目な顔のまま、また撫でたいのかステイルへと近づいてくる。
「君とは2歳しか離れてないだろう!」
「いや、その2歳の差って以外に離れてるんもんだぜ?」
そう言いながら、当麻が触ろうと手を伸ばす。
「止めろ!」
ステイルは思わずお湯をかけていた。
「うぷっ!やったな~!」
顔面にお湯が直撃した当麻は挑発的な顔で、手で器用に水鉄砲の様にお湯を飛ばしてきた。
「うわっ!このっ!」
質より量という事で、ステイルは盛大にお湯を手ではね上げる。
「秘儀!潜り避け!」
当麻はそう叫び、お湯の中に潜った。
ステイルは舌打ちをし、当麻が出てきたところ狙おうと身構える。
しかし、
「わっ!」
急に足を掴まれ、ステイルもお湯の中に引きずり込まれる。
バシャンッ
盛大な音が銭湯に響き渡る。
「あははは!どうだ、まいったか!」
慌てて水の中から出たステイルを迎えたのは、最大級にムカつく笑顔を浮かべた当麻だった。
「・・・ルーンの属性には水があるって事を忘れていないかい!!」
神の右席の一人、アックアも使っていたルーンだ。
水面にステイルがルーンを描くと、不自然に水面が盛り上がる。
「ちょっ!ステイルさん!?魔術はなしだろ!魔術は!!」
「問答無用!」
そうやって、ひとしきり遊ぶ?と2人は浴槽を出て、体を洗い、風呂場を出た。
服を着て、当麻はフルーツ牛乳、ステイルはコーヒー牛乳を飲んで、銭湯を出た。
「お~、夜風が涼しいな。」
「君のせいで少しのぼせてしまったしね。」
「最初にお湯かけてきたのはお前だろうが。」
その言葉にステイルは当麻を睨みつけ、当麻もステイルを睨みつける。
しばらく睨み合い、2人は不意に笑いだした。
「まぁ、楽しかったけどね。」
「だな。」


楽しい時間が流れていく。





一日中家から出ていない引きこもりな麗吹です。
やっぱり、男の子はお湯の掛け合いしちゃうんじゃないかなーと思って、いや、背中の流し合いっことどっちにしおうかと思ったけどね。
でも、のぼせるよねー、すぐ出たいよなー。と思って流し合いっこ割愛!
あ、のぼせた事でステイルが文句言って、快言葉に売り言葉な当麻と、シャワーでお湯の掛け合いとかはしてそうだね!
徐々にステイルが年相応な行動をとっていくね!


明日も続きかけるかなー。
後2話か3話で終わるかな。

HPの方はなぜか短編を更新してた。
あ、明日こそL.S.を!!

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